超好決算株の罠【あなたが好業績を買っても損する理由3つ】
株式投資において、なぜ好業績株でも損をするのか?
株式市場では、最終的に株価は業績に収束すると言われます。そのため、好業績株を購入するのが推奨されるのですが、実際には好業績株を持っていても損をすることがあります。特に株初心者にとっては、この現象は非常に不思議に感じられるでしょう。しかし、これには明確な理由が存在します。今回は、好決算にもかかわらず株価が下がる理由について探っていきます。
目次市場予想に対する乖離
企業は業績予想を義務付けられており、アナリストもそれに基づいて予想を立てます。この予想値を「コンセンサス予想」と呼びます。コンセンサス予想に対して、実際の決算結果がどれだけ乖離しているかが、株価に大きな影響を与えます。
市場予想を上回る場合
市場予想を上回る決算を発表すると、株価にはプラスの影響を与えやすいです。例えば、ある会社が中間決算で17億円の利益を発表し、予想よりも良い結果だった場合、株価は上昇することが多いです。
市場予想を下回る場合
逆に、市場予想を下回る決算を発表すると、たとえ好業績であっても株価は下落する可能性が高いです。例えば、モノタロウのケースでは、前年と比べて業績が良かったにもかかわらず、コンセンサス予想を下回ったため、株価は下落しました。
将来性を懸念される
企業の決算は四半期ごとに行われますが、それぞれの決算には特定の意味合いがあります。特に通期決算では、来期の予想が重要視されます。つまり、今期の目標を達成したからといって、必ずしも株価が上がるわけではありません。
第1クオーター
第1クオーターは滑り出しです。良いスタートを切れば、株価にとって良い効果があります。
第2クオーター
第2クオーターは中間決算です。進捗率が良ければ、上方修正が期待されます。
第3クオーター
第3クオーターでは実現性が問われます。ここで失敗すると、株価に悪影響を与えます。
通期決算
通期決算では、その年の結果だけでなく、来期の予想が重要視されます。成長株であればあるほど、来期の増益率が問われます。例えば、ある企業が21年3月期に104.2%の進捗率を達成したとしても、22年3月期の予想が1.9%の増益率にとどまると、成長鈍化が懸念され、株価が下がることがあります。
株価への折り込み
株価にはすでに成長期待が織り込まれていることがあります。これが株価折り込みの問題です。このような場合、たとえ好決算であっても、株価は下がることがあります。
エムスリーの例
エムスリーは業績が良い会社として知られていますが、22年3月期の進捗も良好でした。しかし、株価は下がりました。理由の一つは、米国の証券会社がエムスリーを格下げしたことです。この理由として、株価にはすでに成長が織り込まれているという指摘がありました。
需給要因
株価折り込みで売られる理由は、利益確定の売りが出ることが多いためです。また、短期的に折り込みが終わることもあります。好決算は長期的には好材料であるため、再び株価が上がることもあります。
関連する質問と回答
1. 好業績株でも損をする理由は何ですか?
好業績株でも損をする理由には、市場予想に対する乖離、将来性の懸念、株価への折り込みなどが挙げられます。これらの要因が複合的に影響し、好業績であっても株価が下がることがあります。
2. 市場予想とは何ですか?
市場予想とは、アナリストが企業の業績予想を基に立てた予想値のことです。これを「コンセンサス予想」と呼びます。実際の決算結果がこの予想値とどれだけ乖離しているかが、株価に大きな影響を与えます。
3. 通期決算の重要性は何ですか?
通期決算では、その年の業績だけでなく、来期の予想が重要視されます。特に成長株では、次の決算期の増益率が大きく株価に影響します。来期の予想が低いと、成長鈍化が懸念され、株価が下がることがあります。
4. 株価の折り込みとは何ですか?
株価の折り込みとは、すでに株価に成長期待が反映されている状態のことを指します。この場合、好決算であっても株価が下がることがあります。利益確定の売りが出ることが多いためです。
5. 好決算でも株価が下がる場合、どのように対策すれば良いですか?
好決算でも株価が下がる場合、長期的な視点で見ることが重要です。好決算は長期的には好材料であるため、再び株価が上がる可能性があります。また、需給要因で一時的に下がることもあるため、冷静に対処することが求められます。